娘の手当ては、ごはんが終わるまで
食事中、娘が僕の右手をじっと見ていた。
「これ、なーにー?」
手のひらのあかぎれだった。
皿を洗ったり、米を研いだり。今年は特にひどい。
娘はフォークを置くと、あかぎれを指でそっとさすった。
「いたいー??」
「うん。いたいんだ。ありがとうね」
それから娘はフォークを持たず、左手を伸ばして、僕の右手の小指を握った。
右手でごはんを手づかみしながら、そのまま食べ終わるまで放さなかった。
僕は、娘が転んだ日や泣いた日に、こんなふうにさすってあげていただろうか。
たぶん、やっていない。
「大丈夫、大丈夫」で、終わらせてきた気がする。
できてなくて、ごめんね。
こんどは、とっとが
さすってあげるからね。

