「ぼーちぃ、いっちょ」――娘と帽子がおそろいになった朝
最近、娘を保育園へ送るとき、帽子をかぶっている。
理由は、寝癖をごまかすためだ(笑)。
ある朝、保育園へ行く準備をしていると、娘が突然言い出した。
「ぼーちぃ、かむる!(帽子、かぶる!)」
娘のお気に入りの帽子をかぶせると、ニッコニコだった。
娘が自分で選んだ靴下を履き、お気に入りのアンパンマンの靴を履いて、二人で家を出た。
手をつないで保育園へ向かっていると、途中で抱っこを求められた。
抱き上げて、高い高いをする。
すると娘は、僕の頭をポンポンとたたいて言った。
「ぼーちぃ、いっちょ!(帽子、一緒!)」
娘は、何かあると妻を求めることが多い。
そんな姿を見ると、やっぱり寂しい。
父親として受け入れてもらえているのだろうかと、不安になる。
そんな不安から、娘と一緒に遊ぼうとしたり、スキンシップを取ろうとしたりした。
けれど、その朝の僕は、父親らしい何かをしたわけではない。
ただ、寝癖を隠すために帽子をかぶっていただけだった。
僕との「一緒」も、娘はうれしいんだ。
父親として認めてもらおうと焦っていた僕には、その朝の「いっちょ」で十分でした。

